○茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部立入検査規程
令和5年9月29日
訓令第13号
茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部立入検査規程の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第4条及び法第16条の5の規定に基づく立入検査(以下「査察」という。)を執行するために必要な事項を定めるものとする。
(用語の定義)
第2条 この訓令において使用する用語は、次の各号に定めるもののほか、法、消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)、消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号。)、危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号。)及び危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号。)において使用する用語の例による。
(1) 査察対象物 令別表第1に掲げる防火対象物、貯蔵所等及びその他の消防対象物をいう。
(2) 査察員 査察に従事する消防職員をいう。
(査察の執行者)
第3条 消防署長及び予防課長(以下「署長等」という。)は、火災予防上の目的を達成するため並びに消防活動上必要な情報を把握するため、管轄区域内の査察対象物に対する査察を実施するものとする。
2 署長等は、管轄区域内の査察対象物の特殊性に応じた査察の手法を考慮し、効率的かつ効果的な査察の実施に努めなければならない。
3 署長等は、当該消防署及び予防課の職員に対し、必要に応じて、査察の遂行に必要な知識及び技術の習得のための研修を実施するように努めるものとする。
(査察職員の心得)
第4条 査察員は、査察を通じ、関係のある者による防火管理又は保安体制が促進するよう指導するとともに、査察対象物における消防活動との関連について認識を深めることにより、消防活動時の安全性及び円滑性の向上を図り、住民生活の安全安心を寄与するよう努めなければならない。
2 査察員は、消防法令及び行政手続法(平成5年法律第88号)その他関係法令に精通するとともに、防火又は保安管理並びに火災及び火災以外の災害の実態等を研究し、査察能力の向上に努め、適正な査察業務の推進を図り、査察に対する信頼を高めるよう努めなければならない。
(査察対象物の区分)
第5条 査察対象物を別表1及び2のとおり区分する。
(査察の種別)
第6条 査察を次のとおり区分する。
(1) 定期査察 消防署長が、計画に基づき実施するものをいう。
(2) 特別査察 消防長、消防署長及び予防課長(以下「消防長等」という。)が、必要があると認めたときに査察対象物を指定して随時実施するものをいう。
(査察の計画)
第7条 消防署長は、月末までに翌月の具体的な査察計画を立て、査察計画表(計画表1)を作成しなければならない。
2 消防署長は、査察計画表を作成する場合には、査察対象物の危険度、防火管理の状況及び過去の査察結果を勘案して実施順位を定めるものとする。
(査察の執行)
第8条 査察対象物に対する定期査察の執行は、別表1及び2に定めるところによる。
(査察の主眼)
第9条 査察は、防火に関する法令の規定に基づき、査察対象物の位置、構造、設備及び管理の状況について、個別的かつ具体的に火災の予防上の安全性について検査し、併せて火災時の人命の安全確保を主眼として行うものとする。
(事前通知)
第10条 署長等は、査察を行うときは、関係者に事前に通知するものとする。ただし、事前に通知することが適当でないと認める場合は、この限りでない。
2 署長等は、前項の規定により通知するときは、関係者に立会い及び関係資料の準備を求めるものとする。ただし、査察執行上支障がないと判断したときは、関係者の承諾を得て立会者不在で立入検査を実施することができる。
3 前項の規定により立会いを求める場合は、管理権原者、防火管理者、危険物保安監督者その他責任ある者の立会いを求めるよう努めるものとする。
4 査察員は、関係のある者が正当な理由がなく法第4条第1項又は第16条の5第1項の規定に基づく査察の実施を拒み、妨げ、又は忌避するときは、速やかに署長等に報告するものとする。
(査察執行上の留意事項)
第11条 査察員は、査察の実施に当たって、法第4条又は法第16条の5に定めるもののほか、次の各号に定めるところによらなければならない。
(1) 関係者の権利を不当に侵害する行為及び民事上の紛争に関与しないこと。
(2) 査察対象物に設置されている消防用設備等の操作を必要とする場合は、関係のある者に行わせるほか、誤操作による機器の損傷及び人に対する危害等の事故防止に努めること。
(3) 立ち入る場所の環境及び状況に十分注意を払い、これに応じた保護具等を使用し、事故防止に努めること。
(査察員の派遣)
第12条 署長等は、必要があると認めるときは、予防課又は他を管轄する署長に査察員の派遣を要請することができる。
3 第1項の要請があった署長等は、所属の査察員を派遣するものとする。
4 派遣された査察員は、応援を受けた署長等の指揮の下、協力して査察を執行しなければならない。
2 査察結果通知書の作成にあっては、火災予防上の不備欠陥事項がない場合はその旨を、ある場合はその内容を簡潔かつ具体的に記載しなければならない。
3 査察結果通知書の交付に当たっては、火災危険性、火災又は火災以外の災害が発生した場合の人命危険等について説示するとともに、火災予防上の不備欠陥事項がある場合は、是正のために必要な事項についての指導を行うものとする。
(査察の結果報告及び処理)
第14条 査察員は、前条第1項の規定により交付した査察結果に、茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部違反処理規程(平成15年規程第5号。以下「違反処理規程」という。)第4条及び茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部危険物違反処理規程(令和2年訓令第7号。以下「危険物違反処理規程」という。)第4条に規定する違反処理基準に該当する違反事項(以下「違反事項」という。)がある場合は、消防長等にその旨を報告すること。ただし、専用住宅については、違反事項が火災予防上又は人命の安全上猶予できないと認めるときに限る。
4 第2項に規定する改修結果(計画)報告書が、提出期限内に提出されない場合は、関係者にその提出について督促するものとする。ただし、改修結果(計画)報告書が提出されない場合であっても、火災予防上の不備欠陥事項が改修されたことが、確認できた場合はこの限りでない。
5 改修計画日が、社会通念上又は火災予防上妥当と認められない場合には、受付時に、関係者に対し必要な指導を行うものとする。
(追跡調査)
第15条 署長等は、改修の確認又は促進のため、査察員に追跡調査を行わせるものとする。
2 署長等は、前項の追跡調査により、改修されていないと認めるとき又は改修が促進されていないときは、当該査察対象物の関係者に対し、所要の指導を行うものとする。
3 署長等は、前項に規定する指導を行ってもなお改修されていない又は改修が促進されないと認めるときは、違反処理規程又は危険物違反処理規程の定めるところにより、速やかに違反処理に移行しなければならない。
(再発防止のための措置)
第16条 消防署長は、消防法令違反に起因した火災等が発生した場合又は消防法令違反の再発防止のための措置が必要と認める場合は、関係者に再発防止指導書(様式第6号)を交付し、再発防止を図るための措置を講じるように指導するものとする。
(査察対象物関係の資料整備等)
第17条 署長等は、査察対象物に関する資料について、次に定めるところにより、整備しておかなければならない。
(1) 査察対象物に関する資料は、防火対象物関係台帳に一括して編さんしておくこと。ただし、事務処理上その他の理由によりやむ得ないときは、分冊することができる。
(2) 前号に規定する資料については、査察業務のほか、消防活動等においても活用できるよう配慮するものとする。
(資料の任意提出)
第18条 査察員は、関係者に対し、火災予防上必要と認められる資料(査察対象物の実態を把握するために必要な既存の文書その他の物件をいう。以下「資料」という。)について、任意の提出を求めるものことができるものとする。
3 提出された資料で保管の必要がなくなったときは、提出資料保管書(様式第10号その1又はその2)と引換えに提出者にこれを返還するものとする。
(任意の報告)
第21条 査察員は、関係者に対し、資料以外のもので火災予防上必要と認められる事項について、任意の報告を求めるものことができるものとする。
(危険物の収去)
第24条 査察員は、法第16条の5の規定により、危険物又は危険物であることの疑いのある物を収去するときは、危険物等収去書(様式第14号その1又はその2)を関係者に交付するものとする。
(関係行政機関との連絡協調)
第25条 署長等は、査察の実効を図るため、必要に応じ、法第35条の13の規定に基づいて関係行政機関に照会し、又は協力を求めるなど、当該関係行政機関と密接な連絡に努めなければならない。
(補足)
第26条 この訓令に定めるもののほか、査察に関し必要な事項は、消防長が別に定める。
付則
この訓令は、令和5年10月1日から施行する。
別表1(第5条、第8条関係)
査察対象物の区分及び執行
区分 | 査察対象物 | 執行 |
A | 1 令第21条に掲げる防火対象物のうち、防火管理者及び統括防火管理者の選任義務がない消防対象物(地区公民館等及び(17)項を除く) | 2年に1回 |
2 令第25条第1項第5号に掲げる消防対象物 | ||
B | 令第21条に掲げる防火対象物のうち、防火管理者及び統括防火管理者の選任義務がある消防対象物(地区公民館等及び(17)項を除く) | 3年に1回 |
C | A・B区分に該当しない消防対象物 | 5年に1回 |
別表2(第5条、第8条関係)
査察対象物の区分及び執行
区分 | 査察対象物 | 執行 |
A | 1 特に火災危険が高いと消防長又は署長が認めた対象物 | 1年に1回 |
B | 1 災害発生率等の高い危険物製造所等のうち、条件に2以上該当する対象物 2 災害発生率等の低い危険物製造所等のうち、条件に全て該当する対象物 | 2年に1回 |
C | 1 災害発生率の高い危険物製造所等のうち、条件に該当するものが1以下の対象物 2 災害発生率等の低い危険物製造所等のうち、条件に2つ又は3つ該当する対象物 | 3年に1回 |
D | 1 災害発生率等の低い危険物製造所等のうち、条件に該当するものが1以下の対象物 2 高圧ガス関係施設 3 危険物運搬車両等 | 4年に1回 |
備考 1 災害発生率の高い危険物製造所等とは、移動タンク貯蔵所、給油取扱所(セルフに限る。)又は一般取扱所(焼入れ槽を有するものに限る。)をいう。
2 災害発生率の低い危険物製造所等とは、災害発生率の高い危険物製造所等以外のものをいう。
3 条件とは、次のことをいう。
(1) 定期点検が義務付けられているもの
(2) 埋設後15年以上の地下タンクがあるもの
(3) 低引火点危険物等(引火点40℃未満の危険物及び灯油・軽油をいう。)を貯蔵し、及び取り扱うもの
(4) 保安監督者の選任義務があり、保安監督者選任届出がなされていないもの